古町組地理図
古町組(陸奥国会津郡之十六)
此地府城の西南に當り本郡の西南隅にあり、東は高野組熨斗組に隣り、西は黒谷組及び本郡小出島組に界ひ、南は本郡戸倉村及び日光神領下野国都賀郡に接し、北は和泉田組に交はる、、、、本郡西南の組此に至て窮り越後上野下野の三国に隣り、四方皆敷山を経て他組に通ず、寒暑府下に比するに大に異なり盛夏にも霜隕て五稼熟せざるとあり、冬月雪最深し、年により一丈余に至る、民々橇を著て往来す、また「なで」(春に至て宿雪山上より潰ゆるを云雪頽の方言なり)「あひ」(山雪凍りたる上に降重なり時ありて崩れ落つ音なくして勢い強し土俗あひと称して最これを恐る)の患ありて行人往々に苦めり、此組の村落多は檜枝岐川の両岸に連り衆山四面に重畳し嶺峻く谷深し、漁猟採薪の便よく用水又乏からざれども山間の衆溪檜枝岐川に合し春雪消融するあひだ洪水の害あり、民居蕎麦芋麻を植え蚕を養て生業を資く、濱野村より南の方大桃村までの敷村を俗に内川郷と稱へ最山深く水田少なし、檜枝岐村は猶其奥三里余駒嶽の麓にあり、又西南に燧嶽聳え人煙此に盡き地勢深□にして別境に入が如し、寒気特に強く土地瘠薄なり、故に専ら小羽板を割き曲物を勢し仲附馬にて府下に運送し五穀に交易す、此組の諸村伊南郷と稱す、総て二十三箇村あり
古町組上十箇村
古町村 小名・道成、多々石村、白澤村、木伏村(きふし)、
水根澤村、大新田村(おおにた)、山口村 小名・下山口 端村・板橋・臺、
中小屋村、入小屋村 木地小屋・駒戸、宮床村、
古町組下十三箇村
鴇巣村(たのうす)、大橋村、青柳村、小塩村、宮沢村、濱野村、
落合村、朴木村(ほほのぎ)、耻風村、大原村、小立岩村、大桃村、
檜枝岐村 端村・瀧澤、