小出島組地理図
小出島（外篇越後国魚沼郡之七）
此地小千谷陣屋の東南に当り、本郡の東北の方陸奥国に跨る、東は陸奥国会津郡古町組に界ひ、只見川を限とし、南は浦佐組に接し、西北共に堀内組に連る、、、四方に高山峙ち寒気勁く雪最深し、冬月は人家を降埋め昼夜燈を用う、また春二月の頃積雪一面に凍り田畠溝渠の隔てなく土人踏て往来す是をしみ渡と名く、此時雪車を以て諸物を運送す、里民?に至れば山に入て小屋を架し数日の間留宿そて薪を伐る、冬月雪車に載て小澤のあひだに牽下し、細切（俗に玉切と云）して翌年七月の末頃、山間の宿雪消盡るを待澤上の堤をきりて水を落し、其中に投じて佐梨川羽川に流出す、此時村々より大勢出て次第を序でこれを流す、故に先拂跡拂等の稱あり、厳寒と雖素膚の上に蓑を衣て水に入る、流す所の木若深淵廻流に支へらるれば其まま水底に潜りこれを出す、村里多くは川に臨も常に水災に困む、羽川に傍ふものを俗に羽川谷と云、佐梨川に倚るものは上流に大湯村の温泉ある故湯谷と稱す、西端に平地ありて水田乏かざれども土地瘠薄なり、又佐梨川・羽川を引て養水とせしに、此二川は山間の諸渓より冷水注ぎ秋熱常にすぐれず、然れども蚕織漁猟の利頗る多く、又炭を焼き小羽板を割て産業を贍せり、此組の諸村廣瀬郷に隷し、只根小屋のみ宇賀地郷に属せり、共に藪上荘と稱す、総て三十九箇村あり、
小出島組三十九箇村
小出島村、日渡新田村、四日町村、佐梨村、佐梨古新田村、佐梨原新田村、
佐梨上原新田村、井口新田村、大塚新田村、七日市村、七日市新田村、
一日市村（ひといち）、吉田村、福島新田村、大澤村、木山澤新田村、
中家村　枝村・原新田、中家新田村、中家今新田村、池平村　枝村・中子澤、
池平新田村、三又新田村(みつまた)、葎澤村（むぐらさわ）、芋川村、
蓑和田村、大湯村、折立村、山田新田村、山田村、山田小新田村、米澤村、
江口村　枝村・長松、江口新田村、清本村、新保村、新保新田村、中島新田村、
根小屋村、