この書は「新編東国記」は「新編東太平記」ともいい、刊行は正徳二年（１７１２）で、撰者は不詳です。同書は天正三年より起こり同十八年八月まで、巻第一の葦名盛氏先祖附同盛興家督相続事より始り、巻第十の秀吉公會津御下向附賜會津于蒲生氏郷事までの十巻に分かれていて佐竹、葦名、伊達、岩城、最上ら東国諸豪の治乱興亡を詳述し、豊臣秀吉が小田原の北条氏を討滅し、さらに会津まで兵を進め蒲生氏郷にこの地を与えたところで終っています。 巻第一 葦名盛氏先祖附同盛興家督相続事 盛興早世附盛氏養子事 盛氏卒去事 葦名盛隆攻高倉城附立野妻被害事 最上義光討城取十郎事 寒河江合戦事 八沼城合戦事 天童城合戦附延澤能登守勇力事 葦名盛隆被任三浦介事 新発田因幡守請属盛隆事 常陸国久下田城合戦事 巻第二 白巖城合戦事 滑川合戦事 人取橋合戦事 松本栗村叛逆伏誅事 新国上総介降参事 兼山合戦附竹田兵庫討死事 最上義光與延澤能登守力競事 葦名亀王丸誕生附大庭三左衛門弑盛隆事 巻第三 伊達政宗家督相続附大内備前背伊達家事 常州田野合戦事 關柴合戦事 松本備中父子示現寺樹芳事 猪苗代弾正隠謀事 政宗被議攻四本松事 小手森落城事 巻第四 高倉合戦事 會津勢退散事 二本松勢寄渋川事 二本松梅王没落事 庄内合戦附草刈備前謀畧事 葦名亀王丸早世附葦名義廣家督相続事 巻第五 柏木山合戦事 里見民部弑満兼事 里見勘四郎復父讎事 越後勢圍赤谷城事 赤谷落城附小田切参河守討死竝波多野忠兵衛事 大内備前退黒川事 巻第六 伊達與葦名和睦事 片平助衛門属米澤片事 伊達政宗攻落阿子島高玉城事 政宗陥駒峰新地城事 猪苗代盛国追出其子盛胤奪領地附謀叛事 摺上原合戦附金上佐瀬討死事 巻第七 政宗三橋逗留附田原谷大平門澤城陥事 富田平田属米澤附間者事 義廣没落事 政宗被入黒川城宥傅附法印逐電事 河原田盛次遣使於政宗許事 久保田合戦事 伊南源助討木伏事 政宗郎等被行忠賞附新国上総介降参事 出羽十五里原合戦附東禅寺右馬允草鬼虎助討死事 巻第九 須賀川籠城事 須賀川諸士盟約事 矢田野伊豆守議討守山筑後守事 須賀川合戦事 守山筑後守謀叛附須賀川陥事 籠城諸士討死事 盛義後室所々沈落竝死去事 政宗黒川越年酒宴事 巻第十 秀吉公征伐北條氏政氏直附小早川隆景計略事 岩城常陸参向小田原附死去竝同興隆家督相続事 佐竹義宣参小田原附先祖事 伊達政宗参小田原事 南部信直進使者事 津軽右京進参小田原事 政宗被出秀吉公之御迎事 白河義親没落事 秀吉公會津御下向附賜會津于蒲生氏郷事 了 |